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2.5GHz帯のWiMAX(FWA)で地方のブロードバンドを実現!

 
水, 2007-01-24 09:00
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アライドテレシスが描く電波資源の有効活用

総務省のブロードバンド戦略と2.5GHz帯の開放

総務省は2006年8月、「次世代ブロードバンド戦略2010」を発表し、2010年を目標年度としたブロードバンド全国整備の方針を示した。2010年度までに、ブロードバンド・ゼロ地域を解消すること、および超高速ブロードバンド(上り・下りともに30Mbps以上)の全国世帯カバー率を90%以上とするのがその骨子だ。

図1
図1 BWAシステムとして利用できる
周波数帯域(クリックで拡大)

これを受け、人工衛星やレーダーなどの大規模社会システムが使用している周波数帯を再編しようという動きが活発化する中(連載:活発化する電波/周波数の割り当て (3) を参照)、最大伝送速度が下り20〜30Mbps以上、上り10Mbps以上の広帯域無線アクセスシステム(以下、BWA:Broadband Wireless Access)の2.5GHz帯への導入に注目が集まっている。

再編されて利用が可能となる2.5GHz帯(2535MHzから2630MHz)には、BWA用に95MHz幅が開放されるが、隣接するN-Star(通信用衛星)とモバイル放送(モバHO!)との干渉を避けるためのガードバンド(干渉防止帯域)幅を差し引くと、実質的にBWAシステムとして利用できる周波数帯域幅は80〜85MHz程度となっている(図1)。

ここに導入される技術方式としては現在、

(1) モバイルWiMAX(IEEE 802.16e-2005)
(2) MBTDD-Wideband(IEEE 802.20)
(3) MBTDD 625k-MC(IEEE 802.20)
(4) 次世代PHS

の4つの方式が候補に挙がっている。ただし、ブロードバンド・アクセスには1つのシステムで10MHz〜20MHz幅は必要となることが予想され、導入システム間のガードバンドも考慮すると、3〜4システムが限界と言われている。

2006年12月5日には、総務省で「BWAカンファレンス」が開かれ、2.5GHz帯免許の取得を希望する通信事業者など14社・団体が意見陳述を行った。同カンファレンスでは、1事業者に割り当てる周波数幅の最低単位を10MHzとすることで意見は一致したものの、NTT東西、KDDI、ソフトバンクなどの大手キャリアは、1事業者あたりの周波数幅を20〜30MHz(30MHzはKDDIの意見)とし、事業者には全国単位の免許を与え、BWAサービスをブロードバンド需要が集中する都市部から全国へと拡大させていくという共通した方針を述べた。

図2
図2 [参考]2.5GHz帯のBWAシステム
導入スケジュール(クリックで拡大)

これに対し、IRIユビテックやアライドテレシスなどは、市町村単位の地域専用周波数をルーラル地域(通信サービスが十分に行き届いていない小さな市町村)の自治体などに与え、BWAシステムをFWA(Fixed Wireless Access、固定無線アクセス)的に利用(以下、FWA利用)することにより、ルーラル地域へのブロードバンドの提供、デジタル・デバイドの解消に役立てるとする意見を述べた。これは、大手キャリアが要望する全国単位での免許制とはまったく異なる地域免許制(地域専用周波数)の創設・導入を意味し、日本の電波政策に一石を投じる提案だと言える。

編集部ではこのほど、アライドテレシスホールディングス 最高技術責任者 応用技術担当の真野 浩氏(写真)に、同社が提案するWiMAXのFWA利用について話を聞いた。同氏は、「地域単位の免許付与が、デジタル・デバイド対策につながり、ひいては電波資源の死蔵も防ぐ」と、WiMAX関連事業への期待と意欲を語った。以下にインタビューの模様をお届けする(文中敬称略)。

デジタル・デバイドを助長する
現在の新技術導入プロセスの問題点

—アライドテレシスの提案する地域情報化に向けた取り組みの背景は

真野浩氏

真野 通信・放送関連の新サービスや新技術を導入・普及させるこれまでのプロセスには問題があると認識しています。つまり、まずは新しいサービスは東京から始まって、大阪・名古屋などの大都市、それから地方都市、最後にルーラル地域へと展開されていくのですが、実際のところは地方都市のその先でまで利用できるようになるには、数ヶ月から数年単位の時差があり、さらにまた新しいサービスが始まれば、同じプロセスが繰り返され、デジタル・デバイドが助長されてきました。

今回の2.5GHz帯の再編におけるBWAシステムの導入にあたっては、同じことを繰り返さないようにすることが重要だと考えており、12月のBWAカンファレンスでは、WiMAXのFWA利用が、地域情報化に貢献し、デジタル・デバイド解消のための格好の方策となることを提案しました。

—具体的にはどのような提案ですか

真野 BWAカンファレンスでは、秋田市と東北インテリジェント通信と当社の3者共同で陳述を行ったのですが、まずはじめに、BWAシステムのFWA利用のための総務省が主体となった研究開発、および法制度の整備を要求しました。

これは、総務省主催の「ワイヤレスブロードバンド推進研究会」最終報告書において、「移動体通信システムの導入検討にあわせて、移動通信システムが利用しない地理的範囲に限定して有線ブロードバンド代替システムの導入可能性を検討することとなる」と、FWA利用の可能性が示されているにもかかわらず、答申案ではBWAシステムの移動利用の検討だけを優先しています。この結果、FWA利用との調整がされないまま移動利用が先行した場合、あとでFWA利用を行うのが難しくなると思われるからです。

WiMAXに対する誤解と現実

加えて、どうも世間には「WiMAXは見通し外通信が可能で、電波が50km飛んで75Mbpsの伝送速度が出る」というような言われ方をしていて、それが結構広く信じられたりしているようですが、実際には電波の割り当てとか、電波の出力、電力が決まらないとなんとも言えないわけです。

WiMAXは携帯電話と同じように見られていますが、実際は、基地局から部屋の中まで届くことはまずないのです。移動体は消費電力の関係から電力はそんなに使えませんし、かと言って移動体はアンテナ利得も大きく取れないので、PHSや無線LANなどより多くのギャップフィラーなどの装置が必要になります。つまりBWAサービスを行うには、このような大規模な設備投資が要求されます。

ですから、こういう状況下でBWAシステムを2.5GHz帯で使えるようにすると言っても、移動体通信だけに使うことは合理的ではありません。その理由は、全国でBWAサービスを展開しようというキャリアにとって、設備投資額はたいへんなものになってしまい、ルーラル地域のための設備投資が早期に行われることは考えにくいからです。結果、デジタル・デバイドはさらに広がってしまいます。現在(2006年12月)ADSLさえ来ていないところが250万世帯もあるというのに。そこで、WiMAXをFWA的に使えば地域情報化、デジタル・デバイドの解消に役立ちます、というのが私どもの陳述だったわけです。

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