NTTデータが目指す環境志向経営とオフィスビル/データセンターの見える化・省エネ戦略=オフィスエリアで40%の電力を削減!=

NTTデータが目指す環境志向経営とオフィスビル/データセンターの見える化・省エネ戦略=オフィスエリアで40%の電力を削減!=

NTTデータソルフィスとNTTデータビジネスブレインズ、インターコムの3社は、グリーンIT/スマートグリッド時代を迎えて、共同セミナー「省エネ&環境負荷低減。効果の見える化はここから始まる。事例から学ぶ効果的利用法」を開催(2012年2月15日)。各社からITを駆使して実現した省エネやコスト削減、見える化などの具体的事例が発表された。ここでは、まず、NTTデータ 環境経営推進室課長 臼井規善氏による基調講演「ペーパーレスと省エネで実現するコストとCO2の削減」の中から、「環境志向経営」をベースにしたNTTデータの経営戦略の内容のうち、東日本大震災以降のオフィスビルやデータセンターにおける「見える化・省エネ対策や節電の事例」を中心にレポートする。

≪1≫環境志向経営を強化するNTTデータ

NTTデータ(代表取締役社長:山下 徹)は、図1に示すように、

(1)地域通信事業:NTT東日本、NTT西日本
(2)長距離国際通信事業:NTTコミュニケーションズ、ディメンジョン・データ
(3)移動通信事業:NTTドコモ

と並んで、NTT持株会社のもとのグループ企業の一員としてデータ通信事業を行っている企業であり、売上高:1兆1,619億円、従業員数:10,139名(ともに2011年3月31日現在、単独)と国内最大級のシステムインテグレータでもある。


図1 NTTグループ企業としてのNTTデータの位置づけ(クリックで拡大)
図1 NTTグループ企業としてのNTTデータの位置づけ

基調講演を行った臼井規善氏(NTTデータ環境経営推進室 課長)は、『私が所属する環境経営推進室は、社長の直轄組織になっています。3年前(2009年度)に弊社が中期経営計画を立案しスタートするにあたって、山下徹社長から、ぜひとも環境対策に取り組みたいという強い方針が出されました。このため、図2に示すように、当社の「中期経営計画」のなかで、「環境志向経営」をベースにした、「営業力強化、人財育成、SI競争力強化、グループ事業拡大強化」の4つの重点施策を軸に事業を拡大していくことになりました』と環境志向経営を推進していることを強調した。

この中期経営計画を背景に、NTTデータグループは、当面、世界のIT業界において「グローバルトップ5」に入ることをめざして、意欲的な事業展開が行われている。


図2 環境志向経営をベースにしたNTTデータグループの戦略(クリックで拡大)
図2 環境志向経営をベースにしたNTTデータグループの戦略

≪2≫事業展開における3つのアクションプラン

新しく打ち出された環境志向経営の実現に向けて、NTTデータグループでは、対外的に何を目指して事業展開を行っていくかを明確にするため、NTTデータグループの環境メッセージを作成し公表した。その趣旨は、『NTTデータグループとして、ITを使った新しい「しくみ」をつくることによって、地球と社会が直面する環境の課題を解決することに貢献したい』(臼井規善氏)ということである。その具体的なアクションプランとして次の3点を掲げた。

【アクションプラン1】ITを通して、お客様や社会全体のグリーン化に貢献する。

 ⇒ NTTデータグループが提供するシステムやソリューションの環境影響評価を「見える化」する。
 ⇒ 環境ソリューションの創出・拡大を推進し、社会の環境負荷削減に貢献する。

【アクションプラン2】自社グループのグリーン化をすすめ、地球環境に貢献する。

 ⇒ 自社データセンターの高効率化・運用改善や、フリーアドレス等のワークスタイル変革によって、自らのCO2排出量の着実な削減を実行する。
 ⇒ 紙の使用量や廃棄物の着実な削減を実行する。

【アクションプラン3】社員一人ひとりが環境について考え、積極的に貢献する。

 ⇒ 組織として、個人として、さまざまな分野で環境社会貢献活動を推進する。
 ⇒ 社内外に対して、環境コミュニケーションを積極的に行う。

これらのアクションプランの下に、すでに2010年4月から、例えば、全グループ社員5万人を対象に、入居ビルの消費電力量および、時間外空調時間の“見える化”を行うなど、省エネに対する啓発活動を推進してきた。

そのねらいは、

① 各組織が消費している電力量等を分かりやすくする
② “もったいない”意識を全グループ社員に定着させる
③ 各社員や組織が情報を活用し省エネを実践する

ことにあった。

まず、「見える化」の対象ビルとしては、次の3つのビル(図3)を選定して行われた。

(1)東京・豊洲センタービルアネックスビル:2006.8竣工、地上33階延床10万m2
(2)東京・アレア品川ビル:2003.6竣工、地上27階延床7万m2
(3)東京・豊洲センタービル:1992.10竣工、地上37階延床10万m2


図3 3つの「見える化」の対象ビル(クリックで拡大)
図3 3つの「見える化」の対象ビル

また、「見える化」システムの基本機能としては、電力センサーなどを活用して、対象ビルの各フロアごとの使用エネルギー量のデータを収集・蓄積しそれを処理して、その結果を全社員がグループWebサイトを通じて、グラフや表形式でエネルギー使用量を閲覧できるようにした。このシステムは、東日本大震災直後に迎えた厳しい2011年夏の節電対策を検討するうえの基礎情報として、非常に役立ち活用できることになった。


≪3≫オフィスエリアでは40%の電力を削減

具体的な節電対策の効果としては、図4に示すように、2010年8月1~31日と震災直後の2011年8月1~31日の電力使用量を比較すると、オフィスエリアでは40%程度の電力を削減することに成功した。

これを図4で少し詳しく見てみよう。図4の中で、照明(緑色)の部分がかなり節電されていることが分かるが、これは従来の蛍光灯をLED化および残業の作業をあるエリアに集約して行ったことなどによる効果である。また、コンセント(青色)もかなり節電されているが、これは1万台のデスクトップPC(消費電力約50W)をノートPC(消費電力約15W)に切り替えた効果が大きい。さらに、空調(赤色)部分も節電されているが、これは空調温度を28℃に設定すると同時に、服装の緩和(ドレスコード緩和)すなわち「スーパークールビズ」などを実施した効果によるものである。

NTTデータは以上のような取り組みを通して、単なる節電やコスト削減に終わるのではなく、CO2の排出量の削減などの環境問題も含めたITのリーディングカンパニーとして、「ワークスタイル」のイノベーションも積極的に展開している。


図4 オフィスエリアでは40%の電力を削減の内容分析(クリックで拡大)
図4 オフィスエリアでは40%の電力を削減の内容分析

≪4≫データセンターで30%の電力を削減

NTTデータは、データセンタービジネスおいて、海外はもとより日本国内だけでも18カ所の拠点をもってサービスを展開している。同社は、最新のテクノロジーを取り入れた環境にやさしいデータセンターサービスを提供しており、電力・CO2排出量30%削減(CO2排出量年間2000トン削減)を目指した取り組みを展開している。

30%削減に向けたその取り組みとしては、図5に示すように5つの技術がある。

【取組1】:高電圧直流給電システム
【取組2】:太陽光発電システム
【取組3】:高効率空調設計
【取組4】:グリーンコンサルティング
【取組5】:仮想化技術


図5 データセンターにおける電力削減への5つの取組(クリックで拡大)
図5 データセンターにおける電力削減への5つの取組

【取組1】高電圧直流給電システム:消費電力を20%削減

まず、データセンターの電源そのものを見直そうということで、高電圧直流給電システムの取り組みを行っている。通常、交流で給電されているデータセンターでは、図6に示すように、商用電源(AC電源)とコンピュータ(サーバ)の間にUPS(Uninterruptible Power Supply, 無停電電源装置。蓄電池等)が設置されており、停電が発生すると自動的にバッテリー(蓄電池)からの電源供給が開始されるようになっている。

しかし、このAC(交流)給電の場合は、図6の上部に示すように、ACの商用電源はUPS内においてAC ⇒ DC ⇒ ACというように2回の変換(AC/DC変換)が行われる。さらにサーバ/ルータなど交流を前提に設計されているIT機器に電力を供給するために、さらにAC ⇒ DC変換が行われるため、合計3回の変換が行われている。

これに対し図6の下部に示すように、高電圧直流給電(DC給電)の場合は、サーバ/ルータなどを直流で受けて動作するよう設計することによって、直流電源装置におけるAC ⇒ DC変換が1回だけで済むようになる。このように交流/直流(AC/DC)変換による電力ロスを削減することによって、消費電力を20%程度削減することができるのである。


図6 高電圧直流給電(DC給電)システムの仕組み(クリックで拡大)
図6 高電圧直流給電(DC給電)システムの仕組み

【取組2】太陽光発電システム:センター内の照明や事務室の電力を削減

また、データセンターのビルに、太陽光発電システムを設置し系統電力の削減を行っている。これによって、データセンターの電力をまかなうのは無理な話であるが、少なくともセンター内の照明や事務室の電力の一部をまかなうことができる。

【取組3/取組4】高効率な空調の設計/グリーンコンサルティング

データセンターには、サーバなどから発生する熱を冷却するため、かなり空調のための電力が必要である。この冷却のための電力消費を削減するため、工夫を凝らして効率化するため、扉(間仕切り)などを設置して冷気が外に逃げないようにした。同時に、シミュレーションソフトを使用して空調の冷気がどのように流れるかをフロー解析(グリーンコンサルティング)して、熱を効率的に冷却できるようなシミュ―レーションを行って、空調の効率化を図っている。

【取組5】仮想化技術:サーバを集約化して節電

5つ目として、仮想化技術の導入である。仮想化とは、サーバに仮想化ソフトを導入すると、1台の物理的なサーバで仮想的に複数のサーバが動くような仕組みができる。これによって物理的なサーバを減らすことが可能となる(これは、ソフトウェア的にサーバを集約化する取り組みである)。

これによって、10台あったサーバを仮想化することによって1台あるいは2台に集約化し、大幅な節電が可能となった。

以上の5つの取り組みの結果、データセンターにおいて、年間で電力・CO2排出量30%削減(CO2排出量年間2000トン削減)が可能となった。これらの取り組みに対して、グリーンIT推進協議会が主催する「グリーンITアワード2009」の”ITの省エネ部門“において「経済産業大臣賞」を受賞している。


≪5≫オフィスビルにおける省エネへの取り組み


〔1〕停電・節電に向けた取り組み

また、NTTデータグループは、東日本大震災以降も、オフィスビルにおいて、停電対策、電力使用状況の把握、情報共有など、節電・省エネ関連ソリューションについても次のような3つの先進的な取り組みを展開している。

(1)停電が発生しても必要最低限の電力を確保すること。
このためには、ハイブリッド電力制御や太陽電池、燃料電池、蓄電池制御が重要となる。

(2)節電に向けて電力の使用状況を把握すること
このためには、電力計測機能つき省エネコンセントや、電力使用状況の見える化が重要となる。

(3)企業全体、地域全体で状況を把握すること。
このためには、エネルギーの遠隔監視や、クラウドサービスによる情報共有が重要となる。


〔2〕注目されるハイブリッド電力制御の活躍

ハイブリッド電力制御とは、電力会社からの交流の系統電力と、太陽光発電・電気自動車・蓄電池・燃料電池などの直流電力、すなわち交流電力(AC)と直流電力(DC)を組み合わせてうまく制御するシステムのことである。

NTTデータのハイブリッド電力制御の特徴は、図7に示すように、電力会社からの交流の系統電力が停電などによって遮断されたときに、自動的に燃料電池や太陽光発電、風力発電、EV、蓄電池からの電力に切り替わって、最低限の電力を確保するシステムとなっていることである。

これによって、あたかもオフィスや家にいる人にとっては、停電がなかったかのように、何の操作もなく電気が使えるシステムとなっている。この制御はパソコン制御されるような複雑なものではなく、シンプルなハードウェアロジックで実現されており、信頼性の高いシステムとなっている。このシステムでは、その時点で太陽光を使うのがベストか、風力を使うのがベストか、あるいは単純に電力を安く発電する順に使うのか、というような優先順位を設定することも可能となっている。また、ハイブリッド制御では、屋内配線の一部をDC化(注。最近DC家電の開発も進んでいる)し、既存のAC配線と共存して制御することも可能となる。


図7 ハイブリッド電力制御(クリックで拡大)
図7 ハイブリッド電力制御

≪6≫NTTデータが扱っている省エネ製品とソリューションマップ

以上の他、NTTデータの豊富な取り組みの紹介があったが、ここでは、同社が扱っている省エネ関連製品を紹介しよう。


〔1〕蓄電池

電力ピークシフト効果/電力ピークカット効果が期待できる。小型軽量であり、日本メーカー製としては低価格であるところから、国内の売り上げ実績がNo.1となっている。〔リチウムイオン蓄電池〕


〔2〕電力計測機能付き省エネコンセント:商品名「Xechno Tap」(ゼクノタップ)

電源タップにコンセントを差し込んだ、エアコンや家電機器の使用電力量の測定ができる。

その測定結果は、無線(特定小電力無線)によってコントローラ経由で管理用PCに送信され、分析評価が可能である。コントローラからの無線制御によって、コンセント単位での電源ON/OFFが可能となっている。ゼクノタップの導入により消費電力を20%程度削減(退社時の一斉電源OFF等)することができる。


図8 電力計測機能つき省エネコンセント(クリックで拡大)
図8 電力計測機能つき省エネコンセント

〔3〕RemoteOneサービス

このサービスは、中小規模の建物に焦点を当て、施設や設備のエネルギー管理をトータルにサポートするソリューションである。複数のビルや工場、倉庫などの電力使用量をネットワーク経由で遠隔監視を行い、データセンターに集約して分析し、デマンド制御による電力低減を実現する。顧客にはエネルギー使用状況の見える化情報などを提供する。これによって、契約電力低減による基本料金の削減や、無駄な電気の削減による電力料金削減などが可能となる。


〔4〕見える課ECO部長

NTTデータソルフィス〔NTTデータとセイコーインスツル(SII)共同出資〕が開発した省エネ活動「見える化」ソリューションである。SII製センサーネットワーク商品「Mr.匠エネ」を活用し、NTTデータの企業向けシステム共通基盤パッケージ「intra-mart」を導入した企業国内外2,300社向けに、オフィスの環境情報の見える化を実現する。


〔5〕エネパッと

「エネパッと」は、intra-mart上で稼働する改正省エネ法に対応した各種報告書の作成を支援するソフトウェアである。

これまで述べてきた、NTTデータが提供する「省エネルギー関連ソリューション」をまとめると、図9のようになる。


図9 NTTデータが提供する省エネルギー関連ソリューション(クリックで拡大)
図9 NTTデータが提供する省エネルギー関連ソリューション

以上、NTTデータの環境志向経営のビジネス戦略を見てきたが、NTTデータが、今後ますます厳しくなる日本の電力・エネルギー事情を解決しながら、環境を中心にすえた新しいスタイルの産業構造の構築に貢献し、その事業が展開されていくことに期待したい。

(後編に続く)


バックナンバー

<「見える化」共同セミナーレポート:前編>
NTTデータが目指す環境志向経営とオフィスビル/データセンターの見える化・省エネ戦略
=オフィスエリアで40%の電力を削減!=

http://wbb.forum.impressrd.jp/feature/20120329/870

<「見える化」共同セミナーレポート:後編>
スマートグリッド時代に対応した最新版ソフト「MaLion3」の見える化戦略
=BEMS向けのキー・ソフトウェアとして進化へ=

http://wbb.forum.impressrd.jp/feature/20120403/871


関連刊行物

好評発売中!
スマートグリッドの国際標準と最新動向2012
http://r.impressrd.jp/iil/SmartGrid2012

新井 宏征、井上 恒一、久保 亮吾、西 宏章、湧川 隆次、櫻井 義人、近藤 芳展、合田 忠弘[著]
ページ数:276P
サイズ・判型:A4判
価格:CD(PDF)版 89,250円(税込)
   CD(PDF)+冊子版 99,750円(税込)

〔本書の特徴〕
2012年2月28日、NIST(米国国立標準技術研究所)は、スマートグリッドに関する最新の「NISTリリース2.0」を発表し、国際的に大きな注目を集めています。これによって、スマートグリッドは、いよいよ実践的なビジネスフェーズに突入しました。本書は、
(1)好評を博した『日米欧のスマートグリッド政策と標準化動向2010』(2009年12月)
(2)内容を刷新した『世界のスマートグリッド政策と標準化動向2011』(2011年 2月)
に続く、第3弾目の大幅な改訂版であり、日本で初めて「NISTリリース2.0」の心臓部を徹底的に解説しています。同時に、「NISTリリース2.0」を構成している、IEEE(米国電気電子学会)やIETF(インターネット技術標準化委員会)、ITU-T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)、IEC(国際電気標準会議)など主要な標準機関で策定されている各標準規格や最新動向も詳しく解説しています。
このため本書は、まさに、スマートグリッドビジネスに参入するうえでバイブルとも言える内容となっております。


好評発売中!
スマートハウス&スマートグリッド用語事典
http://www.impressjapan.jp/books/3150/

インターネットメディア総合研究所 [編]
株式会社インプレスジャパン [発行]
ISBN :978-4-8443-3150-6
ページ数:304P
サイズ・判型:A5判
価格 :3,360円(本体3,200円+税)

〔本書の特徴〕
スマートハウス&スマートグリッドへの新ビジネス参入者は必携! 基本重要用語を網羅!
本書は、すでに、私たちの身の回りで次々に登場している、スマートハウスやスマートグリッドに関連する用語について、重要な用語を整理してまとめたものです。内容は大きく3部構成で、第1部では、スマートグリッドやスマートコミュニティ、スマートハウスなどを中心に、用語の全体像と基礎について、初心者にも理解できるよう、図表を用いてわかりやすく解説しています。続く第2部は、重要な用語について、アルファベットと五十音順で掲載しています。再生可能エネルギーやICT、家電、自動車、住宅関連分野、および関連標準化機関などの用語も網羅しています。最後の第3部には、スマートグリッド関連サイトを内容別に整理して掲載しています。新ビジネスへの参入を目指す方々に、必携の書です。


好評発売中!
Wi-Fiネットワーク最新技術動向2012
http://r.impressrd.jp/iil/WiFi-Network2012

岸田 重行、迫田 和之、古川 浩 [著]
ページ数:266P
サイズ・判型:A4判
価格:CD(PDF)版 89,250円(税込)
   CD(PDF)+冊子版 99,750円(税込)

〔本書の特徴〕
スマートフォンやタブレット端末の急速な普及・拡大に伴って、通信トラフィックが加速度的に増大し、3GやLTEの高速移動体通信網でも処理しきれなくなってきており、パンク寸前である。
このため、スマートフォンなどに標準装備されるようになったWi-Fi通信機能を活用し、ユーザーのデータトラフィックを、一部Wi-Fiネットワークへ切り替えて、トラフィックを送出する「Wi-Fiデータオフロード」が注目されている。通信事業者は、これらWi-Fiスポットの増設に、急速に乗り出してきている。
一方、TVホワイトスペース(いわゆるスーパーWi-Fi)の活用などによる無線LANへの新しい周波数帯(MHz帯)の利活用や、無線LANによるメッシュネットワークの標準化(802.11s)に伴って、無線LANは、屋内から屋外へ広域的にも利用可能なネットワークへと脱皮し始めた。さらに、このような動きに加えて、第4世代の新高速規格「802.11ac」や「802.11ad」、またスマートグリッド用の通信規格として900MHz帯をターゲットとした「802.11ah」の標準化活動が動き出した。
本書は、Wi-Fiネットワークが、今後、LAN(構内網)からWAN(広域網)へと脱皮し、そのサービス形態を拡大しながら発展していく動向をとらえ、新たなビジネスを産み出そうとしている状況を解説している。


好評発売中!
スマートハウスとHEMS/BEMS/CEMS最新技術動向2012
http://r.impressrd.jp/iil/SmartHouse2012

インターネットメディア総合研究所 [編]
ページ数:266P
サイズ・判型:A4判
価格:CD(PDF)版 89,250円(税込)
   CD(PDF)+冊子版 99,750円(税込)

〔本書の特徴〕
現在、スマートグリッドは、準備段階の実証実験のレベルから実用化のレベルへと移行しはじめています。このような背景から発行される本書は、スマートグリッドの国際的な最新動向をとらえながら、スマートグリッドの心臓部である「EMS」(エネルギー管理システム)に焦点を当て、徹底的に解説しています。
具体的には、スマートハウス、スマートビル、スマートコミュニティの中核的な技術となる、「HEMS」(宅内エネルギー管理システム)、「BEMS」(ビルエネルギー管理システム)、「CEMS」(地域エネルギー管理システム)など、エネルギー管理システム(EMS)の全体像と、それらを実現するための「ネットワーク技術」「通信プロトコル」「プラットフォーム」「ミドルウェア」「半導体」などの要素技術を実用化の視点から解説し、その製品動向を多角的にとらえた内容になっています。
なかでも、これらのEMSを構築するうえで、とくに、現在注目され普及期を迎えているプラットフォームソフトウェア「OSGi」や「TR-069」(機器管理プロトコル)、さらに標準化の大詰めを迎えている「SEP 2」(電力消費量の測定や表示、デマンドレスポンスなどを行うアプリケーションプロトコル)に注目して解説していますスマートグリッドについては、米国のオバマ大統領が、「次のARPANET(インターネット)である」と演説し注目されましたが、インターネット以上の産業的な広がりをもって進展しています。このため、電力関連企業やICT関連企業だけでなく、建築から家電、自動車、ガスに至るまで、新しいビジネスチャンスを目指して、あらゆる産業からの新規参入が相次いでいます。本書は、それらの新規参入を目指している皆様のための必読の一冊です。


好評発売中!
スマートグリッド向け新プロトコル「IEEE 1888」の全容と省エネ戦略2011
http://r.impressrd.jp/iil/GUTP2011

執筆者:江崎浩、落合秀也
ページ数:324P
サイズ・判型:A4判
価格:CD(PDF)版 89,250円(税込)
   CD(PDF)+冊子版 99,750円(税込)

〔本書の特徴〕
東日本大震災は、深刻な電力・エネルギー危機を引き起こし、日本における企業・産業・社会活動に対して、これまでとはまったく異なる次元から、BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)を確立する必要性があることをつきつけた。
こうした背景のもとに、東大グリーンICTプロジェクト(GUTP)では、新しく標準化されたスマートグリッド向けの標準プロトコル「IEEE 1888プロトコル」を用いた世界初のマルチベンダシステムを工学部2号館に構築した。それを構成する機器の相互接続試験も成功し、全学的な展開が開始されている。すでに、電力消費が年間最大となる2011年7月には、対前年同月比の30%の電力削減に成功し、今後の展開が国の内外から大きな注目を集めている。
本書は、電力・エネルギー危機に挑む、スマートグリッド組織「東大グリーンICTプロジェクト」の「IEEE 1888」システムを活用した節電対策の具体例を見ながら、新しいキャンパスやビルの方向性を示しつつビジネスの可能性と展開を解説していく。


好評発売中!
世界のマイクログリッドと再生可能エネルギー2011
http://r.impressrd.jp/iil/Microgrid2011

執筆者:新井 宏征
ページ数:206P
サイズ・判型:A4判
価格:CD(PDF)版 89,250円(税込)
   CD(PDF)+冊子版 99,750円(税込)

〔本書の特徴〕
東北地方を中心に、日本の歴史上、最大級の被害を与えた東日本大震災(2011年3月11日発生)は、東京電力管内の福島第一原子力発電所をも直撃しました。近年では経験することのなかった電力危機に直面し、従来の大規模な発電の仕組みに頼らない発電方法に、今、注目が集まっています。
本書では、近年のスマートグリッドの取り組みの高まりや、震災後のエネルギー計画の見直しなどの背景を踏まえたうえで、マイクログリッドを構成する技術やそのビジネス動向、さらに活発化する世界のマイクログリッドプロジェクトの動向などを解説しています。


好評発売中!
スマートグリッドシリーズ第6弾
スマートハウス構築のためのホームネットワーク技術2011
http://r.impressrd.jp/iil/HomeNetwork2011

執筆者:丹 康雄(北陸先端科学技術大学院大学 教授)
ページ数:232P
サイズ・判型:A4判
価格:CD(PDF)版 89,250円(税込)
   CD(PDF)+冊子版 99,750円(税込)

〔本書の特徴〕
スマートグリッド/スマートハウス時代に、ホームネットワークが急速に注目を集め、新しい標準が次々に登場しています。ホームネットワークはアプリケーション分野の面、技術要素の面のどの観点から見ても多数の要素が互いに関連する複合型のシステムとなっています。そのため、特定の技術が開発されれば一気に実現できるようなシステムではありません。それぞれの部分にあった適切な技術を組み合わせ、全体としては一般ユーザーが運用していける使いやすいシステムを構築する必要があるのです。
特に、スマートグリッドとしての制御系の波は、これまでのホームネットワークのシステムに、無線やPLC(電力線通信)などの通信技術の進展がみられたのに加えて、家庭内に創エネ、蓄エネの機器が出現し、重要なものになってきています。
さらに2011年3月11日に起きた災害は、人々の意識や社会的ニーズを一変させ、それまではコスト面などで敬遠されてきた再生可能エネルギーおよび分散電源の活用や、快適さを失うおそれから取り組みが足踏みしていた消費エネルギー抑制諸技術の実現に、改めて研究開発の方向性が向かいつつあります。
本書は、現時点の最新技術の羅列ではなく、過去からの技術の蓄積に基づき、スマートハウスを実現するために必要となるホームネットワークの一連の技術について述べたものになっています。