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スマートハウス構築の中核となる新通信規格「ECHONET Lite」がHEMSの標準インタフェースへ(前編)=HEMS事業への参入を促進するため一般公開!=

 
日, 2012-01-22 00:02
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特集
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スマートハウス構築の中核となる新通信規格「ECHONET Lite」がHEMSの標準インタフェースへ(前編)=HEMS事業への参入を促進するため一般公開!=
ECHONETで構築したスマートハウスのイメージ
ECHONETで構築したスマートハウスのイメージ
〔出所 http://www.echonet.gr.jp/echo/pamphlet/pdf/data1.pdf〕

エコーネット(ECHONET)コンソーシアム(注1)は、去る2011年12月22日、スマートハウスの中核技術であるHEMS(宅内エネルギー管理システム)の標準インタフェース(通信プロトコル規格)として「ECHONET Lite」を公開、スマートグリッド時代を拓く新規格として大きな注目を集めている。この「ECHONET Lite」は、エコーネットコンソーシアムによって策定(2011年6月30日)され、経済産業省傘下のJSCA(スマートコミュニティアライアンス)内のスマートハウス標準化検討会(2011年11月7日設置)で、欧米のZigBeeをはじめZ-Wave、KNXなどのプロトコルも含めて検討され、これらを退けて推奨規格となった。
ここでは、2011年12月21日(翌日の22に日公開)に開催された「ECHONET一般公開記者発表会」の内容を紹介する。

(注1)ECHONET:Energy Conservation and HOmecare NETwork 、「家庭におけるエネルギー節約、在宅介護ネットワーク」の実現を目指して設立された「エコーネットコンソーシアム」が策定した、ホームネットワークの基盤ソフトウェアおよびハードウェアの規格。なお、旧ECHONET規格の搭載機器は、2010年度に1400万台を突破している。エコーネットコンソーシアムは1997年12月設立。会員数は64 社・組織(2011 年7 月時点)

≪1≫「ECHONET Lite」がHEMSの標準インフェースとなった背景

マルチベンダ環境で、使いやすいホームネットワークの通信規格の策定を目指す「エコーネットコンソーシアム」(図1)は、これまで、屋内電力線(PLC:Power Line Communication)や無線、赤外線などを使用して、家電製品などを制御するための宅内ネットワークを構築する「ECHONET」規格を策定してきた。

具体的には、2003年12月には通信プロトコルやインタフェース関連の規格「ECHONET規格Ver.3.20」を、続いて、ECHONET Ver.3.60(2007年12月)を策定し、2009年にはIEC(International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議)において国際標準規格として認定された。


図1 エコーネットコンソーシアムの組織体制(クリックで拡大)
図1 エコーネットコンソーシアムの組織体制
〔出所:http://www.echonet.gr.jp/news/file/file_46_55.pdf〕

さらに、2011年6月には、国際的にオープン化が求められるスマートグリッド時代を背景に、IP(インターネットプロトコル)対応の、

(1)ECHONET Ver.4.0(OSI参照レイヤ1~7層を規定)
(2)ECHONET Lite Ver1.0(軽量版:OSI参照レイヤ5~7層を規定)

という新しい規格が策定された。

山田 淳氏(エコーネットコンソーシアム 普及委員長)
山田 淳氏(エコーネットコンソーシアム 普及委員長)

とくに、ECHONET Liteは、対応機器が増えたために機能が肥大化してきたECHONETプロトコルの機能を軽くした軽装版(Lite)として策定され、日本におけるスマートハウスの中核となるHEMSの推奨インタフェースとなった。

しかも、今後スマートハウスビジネスを展開するさまざまな分野の企業が、HEMSの事業参入しやすくすることを目指して、会員に限定して公開(2011年6月30日)していたECHONET Lite規格を、一般公開することに踏み切った。これは、米国のZigBeeなどが非公開であることを考慮すると画期的なことである。

エコーネットコンソーシアムの普及委員長 山田 淳氏は、『今回のECHONET LiteをHEMSの推奨規格(標準インタフェース)とするにあたって、図2に示すように経済産業省の傘下にあるJSCA(スマートコミュニティアライアンス)の中の国際標準化ワーキンググループ(WG)が大きな役割を果たした』と述べた。


図2 JSCA(スマートコミュニティアライアンス)の組織構成図(クリックで拡大)
図2 JSCA(スマートコミュニティアライアンス)の組織構成図
〔出所 http://www.echonet.gr.jp/news/file/file_46_56.pdf〕

このECHONET Liteは、具体的には、次のような経緯で策定され、公開された。

(1)図2に示す国際標準化WG配下の「EMS SWG」(注2)の下に「スマートハウス標準化検討会」が設置(2011年11月7日)され、
(2)この検討会の下には、さらに①「HEMSタスクフォース」と②「スマートメータータスクフォース」が設置され、
(3)ECHONET LiteはこのうちHEMSタスクフォースで、推奨され、
(4)最終的に、スマートハウス標準化検討会で「公知な標準インタフェースとして承認され、公開された。

さらに、山田氏は『このほど、ECHONET Litが一般公開されることによって、中小企業やベンチャー企業が新しいHEMS事業へ参入しやすくなりました。』と、公開の意義を強くアピールした。

(注2)EMS SWG:Energy Management System Sub Working Group、エネルギー管理システム分科会)


≪2≫ECHONET Lite 規格のプロフィール

ECHONET Lite規格は、インターネット普及による通信環境の変化に対応し、容易にホームネットワークを実現することを目指して仕様を軽くしている。また、トランスポート層以下の規定を外して、通信処理部だけの仕様とすることで、トランスポートフリーな規格にした。たとえば、『IEEE 802.15.4(ZigBeeの物理層/MAC層)などグローバル標準の通信プロトコルや、インターネット標準プロトコルであるIPの適用が容易にできるようになり』(山田 淳氏)、従来に比べてに非常に簡単に実装することも可能となった。

このほか、白物家電や設備系機器ばかりでなくスマートハウス向けに、家庭用太陽光発電、燃料電池や、家庭用蓄電池などの登場に伴って、ECHONET機器オブジェクト詳細規定が改定された(後述)。

さらに、国際競争力を強化するため、旧ECHONET規格がIECの国際標準となったように、ECHONET Lite規格および機器オブジェクトの詳細規定についても、2012年度中の国際標準化を目指している。

ここまでは概要を説明してきたが、次に、もう少しECHONET Lite規格の内容を紹介しよう。


≪3≫ECHONET Ver.4.0とECHONET Lite Ver.1.0の違い

平原 茂利夫氏(エコーネットコンソーシアム 運営委員長)
平原 茂利夫氏(エコーネットコンソーシアム 運営委員長)

図3に、前述したECHONET Ver.4.0とECHONET Lite Ver.1.0の違いを示すが、アミ掛けして強調している部分が、両者の規格化の範囲である。これからわかるように、ECHONET Ver.4.0の場合は、最下位に示すレイヤ1の伝送メディアからレイヤ7のサービスまですべてのプロトコルが規格化されている。

この背景について、エコーネットコンソーシアムの運営委員長である平原 茂利夫氏は、『エコーネットコンソーシアムが設立(1997年)された当時は、家電を接続する規格がほとんどなかったため、レイヤ1~7までを規格化する必要がありました。しかし、その後、さまざまな標準規格が作成されてきたため、図3の右側に示すように、伝送メディア(MAC層/物理層)などは規定せずに、上位の通信ミドルウェアだけを規格化しました。これによって、ECHONET Liteは、従来のECHONETに比べて大幅に軽装化できたのです』と説明した。

また、ECHONET環境で使用される、家電機器やエアコン、センサー類などの機器オブジェクトの仕様(各機器がもつ情報や温度・電圧などの制御対象を含む)については、両者で共通に使用できるようになっている。


図3 ECHONET Ver.4.0とECHONET Lite Ver.1.0の違い(クリックで拡大)
図3 ECHONET Ver.4.0とECHONET Lite Ver.1.0の違い

≪4≫スマートハウスにおけるHEMSタスクフォースとECHONET Liteの関係

図4に、JSCA(スマートコミュニティアライアンス)のHEMS TF(タスクフォース)の検討対象範囲と、とECHONET Liteの検討対象範囲を示す。図4の左側に、スマートハウスに関するHEMSタスクフォースの検討範囲を「点線と■(青色)の部分」で示している。すなわち、HEMSタスクフォースは、HEMSと家電機器・住設機器・エネルギー機器間のインタフェースを決めることがその検討範囲になっている。

具体的には、図4の中央に示すように、HEMSタスクフォースでは、コマンドとプロトコルの部分を決めていくが、これをECHONET Liteの用語に対応させると、図4からわかるように、

(1)「プロトコル」は「ECHONET Liteの通信処理部」
(2)「コマンド」は「ECHONET Liteの機器オブジェクト」

に対応している。


図4 JSCAのHEMS TF(タスクフォース)とECHONET Lite(クリックで拡大)
図4 JSCAのHEMS TF(タスクフォース)とECHONET Lite

≪5≫トランスポートフリーなECHONET Lite

図5は、ECHONET Liteが前述したトランスポートフリーなプロトコル構成となっていることを示す図である。図5からわかるように、ECHONET LiteはOSIのレイヤ1~4〔レイヤ1:物理層、レイヤ2:MAC層、レイヤ3:ネットワーク層、レイヤ4:トランスポート層〕に依存しない、すなわちトランスポート層以下のプロトコルに依存しないトランスポートフリーな規格であり、図5の紫色の「ECHONET Lite通信処理部」だけのプロトコルとなっていることが大きな特徴である。

レイヤ4以下では、通信アドレスはIPアドレスあるいは、伝送メディア(例:Ethenet)のMACアドレスなどが使用される。


図5 トランスポートフリーなECHONET Liteの構成(クリックで拡大)
図5 トランスポートフリーなECHONET Liteの構成

≪6≫スマートハウスにおける機器オブジェクトの追加

図6は、ECHONET Liteで追加された機器オブジェクトを、スマートハウスに適用したイメージ図である。これまで、家庭において使用される機器は、電気を使う機器(エネルギーを使う機器)すなわち『省エネ機器』が主であったのに対し、スマートハウスでは、電気を発電する太陽光発電や燃料電池、あるいは電気を貯める蓄電池などの、『創エネ機器』、『畜エネ機器』が導入・設置されるため、これらを含めた機器オブジェクト(コマンド)が追加された。今後、電気自動車(EV/PHV)などをはじめ順次新しい機器オブジェクトの登場が予想されるが、その場合は、エコーネットコンソーシアムが各業界とリエゾン(連携)をとり、コマンドを追加・拡張していく。


図6 スマートハウス構築に向けた機器オブジェクトの追加(クリックで拡大)
図6 スマートハウス構築に向けた機器オブジェクトの追加
FC:Fuel Cell、燃料電池
HP:Heat Pump、ヒートポンプ

≪7≫ECHONET Liteは2012年中に国際標準化の予定

すでに、旧ECHONET規格は、すべてIECあるいはISO/IECで国際標準化が実現されている(図7)が、今回のECHONET Liteの国際標準化については、現在準備中であり、最短で2012年9月、遅くとも2012年度中には達成されることを目指している。

具体的には、機器オブジェクトを含めたECHONET Liteは、図8に示すように、ホームネットワーク関連技術の標準化.を担当しているIEC TC100(注3)という専門委員会で審議され標準化される予定となっている。

(注3)IEC TC100:IEC第100専門委員会、AUDIO、VIDEO and MULTIMEDIA systems and equipment、オーディオ、ビデオとマルチメディアシステム/装置を担当。

具体的なECHONET Lite/機器オブジェクトの標準化のスケジュールは次に通りである。

(1)2011年6月:NP(注4)提案(TC100国内委員会)
(2)2011年8月:NP提案承認(TC100国内委員会)
(3)現在、IEC/TC100への規格提案書を作成中
(4)2012年3月:規格書提出(IEC/TC100)
(5)2012年9月:国際標準化(IS。注5)完了(最短の場合、遅くとも2012年度中)

(注4)NP:New work item Proposal、新業務項目提案

(注5)IS:International Standard、国際規格


図7 IECまたはISO/IECの国際標準となっている旧ECHONET規格(クリックで拡大)
図7 IECまたはISO/IECの国際標準となっている旧ECHONET規格
FC:Fuel Cell、燃料電池
HP:Heat Pump、ヒートポンプ

図8 IEC TC100におけるECHONET Lite/機器オブジェクトの国際標準化(クリックで拡大)
図8 IEC TC100におけるECHONET Lite/機器オブジェクトの国際標準化
NP New work item Proposal(新業務項目提案)
IS International Standard(国際規格)

≪8≫別の視点「IEC TC 57」からも「システムインタフェース」を策定

また、別の視点、すなわち、元々スマートグリッド関係(配電関係)のネットワーク規格の標準化を担当しているIEC TC57(注6)においても、上位の配電側からみて、どのように家庭のHEMSを接続するか、そのシステムインタフェースが検討されている。具体的には、ドイツのシーメンスから提案され、TC57内に2011年3月に設立されたWG21(注7)で審議が行われている。

図9に、IEC TC57 WG21の「システムインタフェース」(配電側と需要家側間のインタフェース)の位置づけを示すが、その標準化の検討には、ホームネットワーク技術に関連している、日本のエコーネットコンソーシアムや米国のZigBeeアライアンス、そして欧州のKNXアソシエーションなどとリエゾンを取りながら行われている。このWG21には、エコーネットコンソーシアムから2名のエキスパートが派遣され標準化活動が行われている。

(注6)IEC TC 57:POWER SYSTEMS management and associated information exchange、電力システム管理および関連する情報交換)

(注7)WG 21:Interfaces and protocol profiles relevant to systems connected to the electrical grid、「送電網に接続されたシステムに関連するインタフェースおよびプロトコルプロファイル」の策定を担当するワーキンググループ


図9 配電側と需要家側(家庭)の間のインタフェースの策定(クリックで拡大)
図9 配電側と需要家側(家庭)の間のインタフェースの策定
NP New work item Proposal(新業務項目提案)
IS International Standard(国際規格)

運営委員長平原茂利夫氏は、『そのWG21における標準化のスケジュールは、図10に示すように、前述したシーメンスからの提案で、2011年3月にWP21が設立されました。これを皮切りに、2011年11月には、リエゾンレターという形で、WG21にエコーネットコンソーシアムとして参加したい旨を出しましたが、これは受理される見込みとなっています。現在、ECHONET Liteのユースケースの収集とその選択作業を行っているところです。』と現在のエコーネットコンソーシアムの状況を披露した。引き続き、現在も、国際的にECHONET Liteが認知され、2012年12月(遅くも2012年度中)に標準化が達成されるよう標準化活動が続けられている。


図10 ECHONET規格の国際標準化(クリックで拡大)
図10 ECHONET規格の国際標準化
NP New work item Proposal(新業務項目提案)
IS International Standard(国際規格)

(つづく)


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スマートグリッド(次世代電力網)は、2010年1月にNIST(米国国立標準技術研究所)が「スマートグリッド標準仕様 第1版」を発表して以来、急速に世界的な取り組みが活発になってきた。本書は、具体化してきたNISTやIEC、IETF、IEEEなどの標準仕様や世界各国の政策、参入プレイヤーの動向など、最新動向を網羅する。
まず標準化動向については、2010年まではNIST中心に見えていたスマートグリッドを、欧州のIEC(International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議)における取り組みについても広く取り上げてまとめている。さらに、個々の標準化のフレームワークのなかの具体的な技術仕様である、IETFやIEEEの最新動向についても整理している。
また各国の事情によって異なるスマートグリッド政策とビジネス動向については、国内をはじめ、米国、欧州、アジア諸国について最新動向と今後のロードマップについてまとめている。特に中国と韓国を中心としたアジア諸国で急速に推進されているスマートグリッド政策については、新しい動きとして注目できる。
さらにスマートハウスやスマートシティにおいて、ネットワーク経由で収集される家庭や企業の個々の電力情報に関するセキュリティ対策も重要視され、いくつかの国で、スマートグリッドのサイバーセキュリティに関する先進的な施策が推進されている。本書では、スマートメーターやスマートハウスにおいて想定されるサイバーセキュリティ対策についても、その脅威について触れながら解説している。
本書の最後には、最新のスマートグリッドの用語集も付け、読者がより理解できるように工夫されている。


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ページ数:174P
サイズ・判型:A4判
価格:CD(PDF)版 85,000円(税抜)
   CD(PDF)+冊子版 95,000円(税抜)

〔本書の特徴〕
スマートハウスを実現するための技術動向とSmart Energy Profile 2.0に関する初めての解説書スマートハウスは、近年、地球温暖化対策などの観点から、国際的にその必要性が注目されている。スマートハウスとは、ICT(情報通信技術)を活用して、住宅を取り巻くさまざまなアプリケーションを統合的に制御する取り組みであり、「省エネ」(エネルギー消費の削減)「創エネ」(再生可能エネルギーなどによるエネルギー生成)「蓄エネ」(蓄電池や電気自動車のバッテリーなどを利用したエネルギー貯蔵)が期待されている。米国では、すでにスマートメーターの設置やホーム内での監視制御機器に関しての標準化が活発になっており、日本でも国内版のスマートハウスに関連する動向が注目されている。
本書では、先行する米国のホームエリアネットワーク(HAN)技術を中心に、最新のアプリケーション「Smart Energy Profile 2.0」について全体像を解説している。さらに、スマート ハウスを構成する「スマートメーター」「HEMS」(ホームエネルギー管理システム)」「エネルギー端末」について整理してまとめ、続いてスマートハウスに関連する実証実験プロジェクトやビジネス動向についても触れている。


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